サウジのジレンマと原油価格の見通し

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11日のNYダウ株式市場は前日比-5.97ドル(-0.02%)安の2万3995.95ドルと小幅下落しました。

 

下落した主な要因は、エネルギー株が売られたことや、来週から本格化する企業決算を控えて様子見姿勢が広がったためです。

来週決算を発表するのは、シティ・グループ(C)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ゴールドマン・サックス(GS)、USバンコープ(USB)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、モルガン・スタンレー(MS)といった利上げの恩恵を受けやすい金融株が中心で、この日は決算に対する期待感の高まりを受けて金融株は軒並み上昇しました。

一方で原油安を嫌気してエネルギー株が売られました。

 

 

【原油先物価格(WTIC):日足】

 

原油先物価格は米中貿易摩擦打開に向けた協議の進展や、OPECの減産を要因に9連騰していましたが、50日移動平均線に抑えられるようにして反落しました。

 

OPECの盟主サウジアラビアは、19年度におけるサウジの予算の均衡化を目指すために、原油価格の目標価格を80ドルとしていますが、この水準まで引き上げることができるかどうかは怪しいです。

 

なぜなら、原油価格を80ドルまで引き上げようと思えば、現在の減産目標をさらに上回る量の減産をしなければならず、仮に大規模な減産に踏み切れば、市場シェア奪われるというジレンマがあるからです。

 

たとえば、サウジは中国に原油を販売しており、中国のトップサプライヤーとして君臨しているわけですが、仮にこれ以上供給量を削減すれば、リバルであるロシアが中国市場のシェアを奪いかねません。

 

そのため、サウジはさらなる減産で原油価格を引き上げたくても減産に踏み切れない事情があるのです。

 

ただし、原油価格の低迷が続けば、原油安の原因となっている米シェールオイルの生産量が減少することが予想されるため、原油価格が永遠に値下がりするわけでも低迷が続くわけでもありません。

 

 

【リグ稼働数と原油先物価格】

 

 

シェールオイルを掘削するリグ稼働数は、原油安を背景に二週連続で減少しており、このトレンドはしばらく続くことが予想されます。

 

なぜなら、そもそもリグ稼働数は原油価格に遅れて反応するものだからです。

 

たとえば、業者は原油価格が上昇すれば生産量を増やそうと考えますし、反対に原油価格が下落すれば生産量を減らそうと考えるので、原油価格が低迷している今、多くの業者は採算悪化を懸念して生産量を絞っているわけです。

 

また、これまでの平均的なシェールオイルの生産コストは30~40ドルだったものの、最近では50~60ドルと大幅に上昇していることから、採算ラインの上昇を背景に、リグ稼働数は増加しにくいです。

 

そのため、原油価格はここから大幅に暴落するなどということは考えにくく、むしろ生産コストの上昇を追い風にジワジワと底値を切りげていくと思います。

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