米長短金利の逆転現象はリセッションの兆候か

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リセッション(景気後退)の前触れとして知られる「米長短金利の逆転現象」は3年債利回りと5年債利回りの間で見られたものの、2年債利回りと10年債利回りの間では依然として見られていないことから、リセッション入りはまだ先です。

 

【米10年債利回り-米2年債利回り:1988ー2018】

 

 

過去30年を振り返ると、米長短金利が逆転してしばらく経つとリセッション入りしていることが確認できます。

 

 

そのため、現在、米長短金利が0.15%と限りなく0%に接近していることから、多くの投資家が先行き見通しに悲観的になっています。

しかし、実際は長短金利がマイナス圏に落ち込んでから、その後プラス圏に戻るまでリセッション入りしないことから、過度に悲観的になるべきではありません。

そもそも何故、長短金利の逆転現象がリセッションの前触れになるのかと言えば、長短金利が逆転することで世の中にお金が出回らなくなるからです。

 

 

たとえば、銀行は預金者から1%の利息でお金を預かり、それを企業や個人に利息5%で貸し出すことで4%の利ザヤを稼いでいます。

 

つまり、長短金利差は貸出金利と預金金利の差であるため、貸出金利よりも預金金利の方が高いと、銀行は利ざやを稼ぐことができず、お金を企業や個人に貸し出すことに消極的になります。

 

 

結果、世の中にお金が出回らなくなり、景気は失速していくわけです。

 

ただし、長短金利差がマイナス圏に落ち込んだからと言って、銀行は必ずしもお金を稼げなくなるわけではありません。

 

 

たとえば、優良な投資先がある場合、資金調達コスト(長期金利)が3%だとしても、投資収益率が4%なら1%の利ザヤを稼ぐことができます。

ちなみに、投資収益率とは名目潜在成長率のことで、現在の名目潜在成長率4.0%、米10年債利回り2.9%であることを考えれば、銀行は概ね1%の利ザヤを稼ぐことができます。

 

 

そのため、銀行が貸し出しに消極的になることはなく、世の中にお金が出回らなくなるということはなさそうです。

いずれにせよ、投資家は長短金利がマイナスに落ち込んだとしても、直ちにリセッション入りすると考えるべきではなく、長短金利がプラス圏に戻ってからと考えるべきです。

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